イラストレーターYabeRayの制作における一貫する理念だ。
YabeRay
音楽を聴くように、映画を観るように、本を読むように味わうことができる作品を目指す。
線密画、トライバル、コラージュなど様々な形でイラストを展開し、ライブペイントまでこなす。2008年にはファッションブランドRENO 1st ANNIVERSARYでのライブペイント、音楽以外のアートともコラボレーションを展開しているジャムバンド「Lo-Fi」のイベントでのライブペイントなど、都内を中心に積極的に活動。
一つ一つの線の精度
中学生で油絵に出会うが、美容師として働き出すまでの間、本格的な絵との距離は遠かった。仕事に満足できずにいた時、救いの手を差し伸べてきてくれたものが、そんな遠くにあった「絵」であった。
「時間がある時は絵を描いていた」
スタイル画など、絵を描いていても何も言われない環境が幸いした。本人が気付かないだけで、答えが出ているということはままある。2年かけ、スタイリストとして昇格したことをいい区切りとして、デザイン、イラストレーションの学校で基礎から学ぶことを決めた。
学校で学んでいく中、一度は初めから商業的なイラストレーションをしていこうかとも思った。しかし、自ら作品を制作し展示なども積極的に行う教員との出会いが、彼をよりアーティスティックな道に誘うこととなる。
学校で学んでいく中、一度は初めから商業的なイラストレーションをしていこうかとも思った。しかし、自ら作品を制作し展示なども積極的に行う教員との出会いが、彼をよりアーティスティックな道に誘うこととなる。
「自分の強みは、一つ一つの線の精度」
イラストとして完成されていても、一つ一つの線のアラが目立つ作品を見るにつれ、戦略的に自分の強みを形成していった。
距離感を問わない
YabeRayの作品を観ると、繊細さを感じる。「線や色が、のっているかどうかには気を使う」という。一本一本考え抜かれ、緻密に線が引かれているのは素人から観ても分かる。そうして描かれた線は、その対象物に元々描かれていた模様のごとく佇んでいる。これが“のっている”という状態なんだろう。
繊細さゆえにダイナミズムを感じないという訳でもない。一つ一つの繊細さの集積が力強さになるような不思議な感覚は存在する。イラン芸術の一つ、ペルシャ絨毯などが持つ、繊細な技術の集積が生む力強さに似ているのかもしれない。
衝動的に描かれた絵とは全く違った類いの、圧倒的な迫力がそこにはある。その上、それは距離感を問わない。繊細な線の集積で出来た絵は、細部にフォーカスしても、美しさを感じることができるはずだ。
繊細さの集積のダイナミズム
「映画を観るようにみて欲しい」
いい映画とは全体のストーリーや演出が楽しめ、何回も観てしまう。何回も観るうちに細部のこだわりなどを発見して増々その作品に魅了されてく。どの距離感でも楽しめる。YabeRayの制作理念はそういうことなのだろう。
現在、2008年に行われたファッションブランドRENO 1st ANNIVERSARYでのライブペイントなどを皮切りに、YabeRayの絵はファッションへの展開も始まっている。自ら行うShoes Illustrationも制作理念は変わらない。繊細さの集積のダイナミズムが、あらゆるファッションアイテムに展開されていく。作品との距離感はいよいよ身につける程まで近くなるのだ。
様々な距離で味わえるYabeRayの作品。今後も展示、ライブペイント、ファッション展開等、目が離せない。皆さんも映画や音楽や本と同じように、YabeRayの作品を賞味してみてほしい。
現在、2008年に行われたファッションブランドRENO 1st ANNIVERSARYでのライブペイントなどを皮切りに、YabeRayの絵はファッションへの展開も始まっている。自ら行うShoes Illustrationも制作理念は変わらない。繊細さの集積のダイナミズムが、あらゆるファッションアイテムに展開されていく。作品との距離感はいよいよ身につける程まで近くなるのだ。
様々な距離で味わえるYabeRayの作品。今後も展示、ライブペイント、ファッション展開等、目が離せない。皆さんも映画や音楽や本と同じように、YabeRayの作品を賞味してみてほしい。