Jow(Singer)

「音楽は魔法のようだ」というフレーズをよく耳にするが、Jowの場合はどうだろうか。

Jow
都内を中心にクラブ、ライブハウス、ライブバー等、歌う場所を選ばずに活動。
自身で作詞作曲を行い、バラードからアップテンポまでを歌いこなす。
ホームグラウンドの『三軒茶屋Grapefruit moon』で定期的にライブを行い、その歌声に磨きをかけている。クラブ以外はバックに生演奏をつけ、音の大事さに確たるこだわりを持つ。http://www.jow-soul.com/

 Jowに起こった衝突事故だ


 「今まで生きてきた人生を通して、常に音楽のことは頭の片隅にあった」

 中学、高校とサッカーを続けてきた青年の頭の中は、幼少期に出会った「音楽」に徐々に占領されていくことになる。高校を卒業し、大学での野下隆洋との出会いがさらにそれを加速させる。それは当時、音源にのせて歌っていたJowに起こった衝突事故だ。

 「生のギターに合わせて、歌をのせていく」

 その生の楽器との交わりに衝撃を受けた。その衝撃が、その楽しさが、他では見ることのできない現在のJowの形を作り上げていく。 

 大学を卒業し、進路を音楽に決めたJowは、全て自分の責任でやることが一番合っていると感じ、1人でやっていくことを決意する。とうに夢中になっていた生の楽器に歌をのせることは、自然と彼のルーティンとなる。すると、スタジオでは楽器隊に自分の曲を説明しなくてはならない。そしてそれは、スタジオで楽器隊が話す音楽理論についていかなくてはならないということだ。

 Jowの音楽に対する姿勢はより強固になった。生の楽器と交わることがもたらしたこの恩恵は、手品のように継ぎはぎした音源をトラックメーカーに作ってもらうシンガーには到底達することの出来ないものとなる。

 キャッチーで、シンプルで聴いて残る音楽


 生バンドのストイックな演奏に自分の声を華麗にのせる。言葉だけ聞くと大抵それは、アーティストの技術の誇示になりがちである。しかしJowは玄人受けするような技術の高さというより、全体としてのキャッチーさ、シンプルさに重きを置く。それは「色んな人に聞いてもらいたい」という、表現する者の根源的な、100%ウソのない思いが強く現れた結果だ。

 彼の曲「MAYBE」を聞いてもらえれば分かる。そのメロディラインは一度聞くと口ずさんでしまう程、キャッチーで力強い。

 強いて言うならJowは自身をPOP MUSICとカテゴライズする。どの曲にも帯びているソウル感、グルーヴ感を持ってしても根本の「シンプルで、聴いて残るもの」という信念は変わらない。「もう離れられない」という生バンドを率いて、キャッチーで、シンプルで、聴いて残る音楽を届ける。



 Jowは音楽をしている


 それが「こういう形でやってる人、あまりいない」と言われるJowのオリジナルとなる。このオリジナルは、Jowの歌声のもつソウル感と相まって、聴く人の心の温度を上げる。モスコミュールを飲みながら、「MAYBE」を口ずさむ女子もいる。会場とのシナジーがよりJowを楽しくさせる。魔法のような空間がこの時、生まれる。

 「右肩上がりに楽しくなっていく」

 まさにJowは音楽をしている。幼少期にビートルズを聞いてから取り憑かれた音楽を。ライブバー三軒茶屋Grapefruit moonをベースに、今後の展開も決まってきている。近くで楽しめるのは今のうちかもしれない。三茶に行けば味わえる。そこにあるのは、手品師には到底かけられない魔法。当然、待ってられないだろう。

 

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